頭寒足熱
こんにちは、大阪市城東区東中浜のあうる整体整骨院で鍼灸師をしております、石本と申します。
皆様は体調が悪い時や風邪をひいた時に頭寒足熱という言葉を1度は耳にした事があるのではないでしょうか。
これは読んで字の通り頭を冷やして、足を暖めるという意味です。実はこの言葉が非常に理に適っているのです。
例えば暖房をかけた部屋を思い起こすと解りやすいのですが、暖かい空気は上昇しやすく、冷たい空気は下降しやすいという性質があります。人の体でも同じ現象が起きていて、頭は火照りやすく、足は冷えやすいのです。だから、頭を冷やして、足を暖めることでバランスをとるのです。
健康な人はこの調節を身体が自律神経の正常な働きでやってくれているので、火照りや冷えといったものを感じずにいられます。しかし、体調を崩した人にはこの温度調節が難しくなり、頭が火照ったり、足が冷えたりしやすくなります。それを外側から調節して身体への負担を減らすと同時にバランスを整えるのが頭寒足熱で身体を温めつつのぼせを防ぐ効果があるのです。
体調不良のときは身体を温めるに限りますが、あまりに温め過ぎてしまうと逆にのぼせてしまいます。
例えるならば、お風呂は身体の血流を良くしてくれますが、長時間の入浴はのぼせてクラクラしてきます。
頭寒足熱は、足元を温めて血流を良くしながら、頭に血が上ってのぼせてしまうのを防ぐ効果があります。
実際、お風呂に入るときに濡れタオルを頭に乗せる光景が見られますが、あれも頭を冷やしてのぼせを防ぐための頭寒足熱です。のぼせてしまうと脳機能が低下し、ぼんやりしたり立てなくなったりするため要注意です。
その他にも、片頭痛だったり、女性であれば月経による頭痛であったり、人間はいろんな場面で頭痛に悩まされます。
頭痛が起きるもとの原因は、脳血管が広がってしまうことです。頭を冷やすと脳血管の収縮を促す効果が期待できます。
そのため脳血管の膨張を緩和して頭痛の症状を和らげることができるのです。
頭痛で眠れない夜などに氷枕を使う方法を思い出していただけると納得してもらいやすいかもしれません。氷枕も脳血管を収縮させることが目的です。ちなみに頭を冷やしたところで、体温が下がるわけではありません。寒い季節でも頭痛を感じたら頭を冷やすと効果的です。
また、足熱で冷え性を緩和する効果があります。
頭寒足熱、の足熱には冷え性を緩和する効果があり、身体の端である足先は、なかなか血流が上手く巡らないため冷えがちです。
この足先を積極的に温めることで、血流が促進されて冷え性が緩和されていくのです。身体が温まればリラックス効果が得られますし、代謝も上がって身体によい効果がたくさんあります。
気温の高い空間にいる場合や頭痛を抱えている場合などでなければ、頭寒はせずに足を温めるだけの方が良い場合もあります。
以上をまとめると、「頭寒」と「足熱」は使い分けが大切です。
頭寒足熱には根拠となるような効果があることが分かりましたが、だからと言って常に頭を冷やして足を温める必要はありません。
頭痛のみに悩んでいるのなら頭寒だけを、身体の冷えにのみ悩んでいるのなら足熱だけにして、頭寒足熱を使い分けることも一つの手段です。
もちろん頭寒足熱で全ての症状が治るわけではありません。日頃の体調管理のサポートとして参考にしていただければ幸いです。
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(2018年10月10日)