逆子に効果的な鍼灸治療
逆子に対して有効な鍼灸治療
まず、逆子といい胎位から説明します。
胎位とは胎児の縦軸と子宮の縦軸の関係をもとに表されます。
胎児の縦軸が母体の縦軸と一致する場合を縦位といいますが、縦位の中で児頭が母体の骨盤に向かうものを頭位と言い、胎児の殿部、膝、足など骨盤以下のすべての部位が母体の骨盤に向かうものを骨盤位と言います。骨盤位は、通称「逆子」ともいわれています。
胎児は、子宮腔の形態、子宮収縮、胎動、母胎の体位などの影響により回転し、骨盤位から安定した頭位に誘導されるのが一般的です。すなわち、子宮腔と胎児の形態が一致しない部位では、子宮壁も胎児も圧迫を受け、この刺激により子宮筋は収縮し、胎 位を変化(自然回転)させ、胎児自身も胎動により自己回転し、子宮腔と胎児の形態 の一致する安定性のある頭位になると考えられています。
しかし、子宮腔の形態に異常が生じたり、胎児の形態や発育遅滞が起こったり、胎動の減少や胎児の可動性などにより、胎児の自然回転や自己回転が妨げられると回転のタイミングがおかしくなり、骨盤位のままになるとされています。
骨盤位の成因については、未だ不明な点が多く、明らかではありません。
骨盤位の頻度は妊娠の時期によって異なりますが、多くは自己回転や自然回転によって頭位となり、満期産ではおよそ3~5%の率で出現します。
骨盤位のままでの出産は、難産の原因になるだけに正常な胎位である頭位への矯正が行われます。
その1つの治療法として、古来より東洋医学では、至陰(足の小指の爪の付け根)というツボのお灸が行われてきました。至陰のお灸の効果については、多くの報告があります。
至陰の灸及び三陰交(内くるぶしの上指三本分)の灸頭鍼が一般的によくしられる鍼灸治療であり、効果的だといわれています。
また、お灸を反復施行しても副作用は全く認められなかったという臨床結果からも安全な治療法であると報告しています。
子宮機能に及ぼす鍼刺激の影響
何故、至陰穴へのお灸が骨盤位を頭位へと矯正を促すのか、その機序は明らかではありませんが、治療により骨盤位に矯正された症例群(矯正群)とそうでない症例群(非矯正群)と の子宮動脈の血管抵抗指数(RI)を比較すると、矯正された群のRIが低下するとの報告もあります。このことから至陰へのお灸により子宮筋の緊張が低下し、その結果、子宮動脈の血管抵抗が低下したのではなかろうかと考察されています。
しかし、動物実験の結果によると、逆に子宮筋は収縮し、血中オキシトシンは増加するという結果になりました。
その結果より、胎動の増加を促したと考察され、ヒトとは異なる見解が示されています 。
子宮機能への鍼灸刺激の効果に関する研究は、ヒトと動物では異なる結果が示される等、研究は充分とは言えませんが、少しずつ解明が進んでいるのが現状です。
妊娠中のトラブルには、可能な限り非薬物療法的に対処したいと当院では考えております。
予防法の活用としても効果がありますのでなんでもご相談ください。
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(2019年4月22日)