肩甲骨はがしとは
こんにちは、あうる整体整骨院で鍼灸師をしております、石本と申します。
昨今コロナウイルス感染拡大防止のためお家で過ごす時間が増えている方も多いとお聞きしています。
新しい生活習慣やルールが構築され、お仕事の面でも在宅ワークという方法が定着化しつつある現状の中、運動不足になりがちな生活にも陥りやすくなっているのではと思います。
運動不足解消のためネットやYouTubeなどでもいろいろな運動などが取り上げられ、その中でよく話題に上がるのが肩甲骨はがしという言葉です。
本日はこの肩甲骨はがしについてお話しさせていただきます。
そもそも肩甲骨はがしとは、メカニズムから説明すると、私たちの体の中には、皮膚や筋肉、臓器、骨、血管などを包みこんでつなぐ繊維状の組織「ファシア」ともよばれていますが、そのファシアが張り巡らされています。
どういうものかをわかりやすく説明すると、例えばミカンの皮と実の間にある白い筋のような結合組と思っていただくとわかりやすいかもしれません。
関節を曲げるとき、皮膚や筋肉、神経がぴったりくっついてしまっていると、それらが引っ張られて痛みが発生します。
そこで、ファシアが組織間にゆとりを作ってくれるため、私たちは関節をスムーズに動かすことができるわけです。
いわば体のワンクッションをおかせるための結合組織と言えるでしょう。
そんな大切な役割をするファシアですが、運動不足や長時間同じ姿勢が続くと、周囲の骨や筋肉と窓着したり、先程例に出したミカンの皮のように、古くなったミカンは皮が身からはがれにくい状態になってさそまうのです。
その結果、体を動かしづらくなり、姿勢の崩れや肩こりや頚の痛み、頭痛といった様々な不調を招くことになります。
肩甲骨はがしとは、固まってしまった肩甲骨周りの筋肉とファシアをほぐして、動きをスムーズに動かす働きを取り戻すことです。
肩甲骨を上げてギュッと寄せる動きをすることで、マッサージではほぐすことのできない深部の筋肉、肩甲骨を動かす役割をしている、菱形筋と肩甲挙筋という筋肉に働きかけることができるのです。
肩甲骨はがしが肩こりや頚の痛みに効果的な理由は、肩こりの一番の原因でもある頚にかかり続けた負荷の蓄積を解消できることにあります。人間の頭の重みは、体の10%で、体重50kgの人なら5kgの重みがあります。
常に5kgの重り細長い頚一本で支えているわけですから、頚には相当な負荷がかかっていると考えられます。
さらに、頭を30度ほど前かがみにするだけで、頚に加わる重さはその3倍になります。
デスクワークなどで長時間頭を傾けていれば、頚の筋肉はみるみる緊張して硬くなり、血行不良や痛み、こりなどの不調を招
きます。
そしてこの頚を支え、土台となっているのが肩甲骨です。
肩甲骨はがしによって、首の周りの硬くなった筋肉をほぐしてあげることで、血流を良くし、不調を改善することができます。
ストレスも肩こりの大きな原因の一つです。
ストレスを感じると筋肉やファシアが緊張状態になり、血流が悪くなります。
自律神経にも影響が及んで、ひどくなると抑うつ状態になったり、意欲がなくなったりします。
こうしたストレスにも、肩甲骨はがしが有効です。
緊張状態になった筋肉をやわらげるだけでなく、首に通っている自律神経に働きかけ、頭をスッキリさせる効果もあります。
私たちは日常生活の中で肩甲骨はがしのような動きをとることはありません。
ですから、肩こりや首こりに悩んでいる方
は、意識的に肩甲骨はがしをして、ガチガチに固まった肩甲骨周りをゆるめてあげることが大切です。
当院では肩甲骨内側の筋肉をのばし、肩甲骨を動かしやすくするための姿勢バランスの修正、日常生活の中でもできる簡単な肩甲骨の運動指導も行っております。
なかなかとれない頚肩の痛みにお悩みの方は是非当院にご相談ください。
(2020年11月23日)